10月15日に流川から移転オープンした創業18年のジャズピアノバー。下本滋マスターによる毎日のピアノ演奏に加え、不定期でゲストミュージシャンによるライブも開催。チャージ料金は通常で男性2500円、女性2000円。ライブ時は出演ゲストなどにより変動する。下本マスターは、
「音楽バーは若者や初心者に敷居が高いと思われがちだが、当店はお酒を飲みながら気軽に生の音楽に触れられるバーがコンセプト。来店をきっかけに同様のバーに興味を持ってほしい」
アルコールはウイスキーやカクテルなど約20種類を700〜1500円で提供。ウイスキーだけで11種類用意する。ソフトドリンクも約10種類を500円から用意しており、スタッフがその場で点てた抹茶も味わえる。リニューアルに際してグランドピアノや録音機材を新調し、レコーディングの受け付けも始めた。音源の価格は応相談。
出身地の庄原市で一般住宅などの設計施工と雑貨店を営んでいる。カープの松田オーナーにビジネスフェアで声を掛けていただき、マツダスタジアムのスポーツバーの設計施工を担当。以来、球場内のカバなどのオブジェや選手の像などを毎年作っている。
2011年に天谷宗一郎、赤松真人両選手のスーパーキャッチを再現したオブジェを制作した時には、選手控え室で顔や腕などを採寸。非常に緊張したが、2人はとてもフレンドリーに話しかけてくれた。それをちゃかしに来るマエケンのおちゃめな姿も。選手の仲の良さや和気あいあいとした雰囲気を感じられ、一層ファンになった。
ファン歴は山本浩二さんや衣笠祥雄さんが活躍していた小学生の頃から。初優勝した1975年に地元でサイン会があった際には、とても楽しみにしていたのに当日に熱を出してしまった。「行くならこれを着て行きなさい」と母に渡されたのは、親戚のお兄さんからもらったジャイアンツのジャンパー。「これはさすがに着ていけない」とすったもんだの末、やっと会場に到着すると、既にサイン会は終了していた。選手が乗ったバスの後ろ姿を泣く泣く見送ったあの時の光景は今でも忘れられない。
妻が私以上に熱狂的なファンで、試合がある日は家族みんなでテレビにかじりついて応援している。年4〜5回は家族や取引先の方と球場へ。中﨑翔太選手の投球前にお尻を下げる独特な動きがチャーミングで好き。故障もあって今は調子が良くないが、また活躍してくれるのを楽しみにしている。
学校から帰ると息つく暇もなく牛の世話や牧場清掃に汗を流す。手塩にかけた分はおいしい牛乳で応えてくれる。親子初代で始めた牧場経営。
2019年7月、ファーマーズホールディングス(府中市)グループに加わった、あせひら乳業(三次市三和町)の創業は農協のパイロット事業が発端。1967年に乳牛5頭でスタートした。今年4月、長女の尚子さんに経営を託した児玉克憲会長は、
「私が中学生の頃、兄が北海道で酪農を学び、その後に現地にならって県内最大規模の36ヘクタールの牧場を整えた。77年には60頭の飼育牛舎を新設し、それまでの朝星夜星、年中休みのない労働環境から脱し、大型・機械化して作業効率を高めた。ところが、その4年後、生乳の生産調整による酪農危機に見舞われて搾乳を処分する事態に陥り、これを契機にヨーグルトの開発に乗り出した」
当時、国内のヨーグルトは脱脂粉乳やスキムミルクを使う製法が一般的だったが、全乳で作ることにこだわった。農業雑誌で知った乳製品の専門家の元に4年間通い詰め、チーズづくりを応用したヨーグルトの製法をものにし、乳酸菌数が一般的な市販品の10倍のヨーグルトの開発にこぎ着ける。92年から個人営業で製造を始め、当時は有名百貨店の産直ギフトにも採用されていたという。
近年、ヨーグルト市場は停滞気味だったが、コロナ禍を受け復調し、拡大傾向にあるものの競争は熾烈。際立った特徴や消費を刺激する訴求力がないと生き残りは厳しい。あせひらのヨーグルトは価格競争に巻き込まれない市場で一定のファン層をつかみ、一方でプリンやチーズケーキ、生キャラメルなどアイテムも増やしてきた。いずれもグループのみよし高原牧場の直送生乳を使う。昨年末からはβカゼインA2遺伝子を持った牛の牛乳販売を本格化。専用の牛乳工場も新設した。いったんは手放した牛乳市場に、牛乳が苦手という人も飲みやすいという「おなかにやさしい牛乳」で乗り込む。
グループ入りしたファーマーズホールディングスは県内外に5直営農場と、2・3次産業を担うグループ4社で切磋琢磨しながら生産〜販売一貫体制の農畜産業を展開。IoT技術を駆使し、牛の状態管理や環境コントロール、飼育の最適化など新しい酪農業のモデル構築を目指す。県内の牧場農家は現在103場。うち庄原・三次地域が43を占め、三和はかつて35あったが4場に。大規模化によって飼育頭数は増えた。グループ化による経営手法の転換により、あせひらは夢が描ける職場に変貌した。
尚子社長は、ヨーグルトづくりに情熱を傾けた父親のこだわりを受け継ぐ。
「実は継ぐことに一抹の不安があり諦めかけていた。しかし人手に渡す気にはなれなかった。グループ入りで不安が解消され、決断できた。親子だからけんかもある。しかし会長の思いを一番理解している私がその志を守る」
生キャラメルの製造は一人で週1回だったが、今は8人で毎日つくる。M&A(企業の合併・買収)が大きな転機になり、活路を開いた。あせひらの認知度を高め、ブランドを定着させる。尚子社長の新たな挑戦がスタートした。